顧客の声を「正確に」聞くことの難しさ

Aug 12, 2014     小泉 耕二   0 Comment     おすすめ, コンサルティング

コンサルタントの初めの仕事は議事録とり

コンサルタントになって初めの仕事は、先輩について行って、乱暴に

「議事録とってね」

といわれることから始まることが多いです。

「はいはい。議事録ですね。どんなフォーマットで書けばいいですかね?」

会話をメモすればいいんだろう程度の心持で会議に臨むとひどい目にあうものです。

これを読むと「聞く」前にやるべきことがわかります。

考えが違う人たちの意見をいかに無駄なくメモをするか

議事録というのを書いてみるといろんな流派の人がいるもので、

  • 全部会話形式でメモを取ろうとする派閥
  • 会話の要点や主張・見解だけメモをとって、あとは決定事項をまとめようとする派閥

なんかがあります。

もちろん、後者の方がいいのですが、なにがメモを取るべきポイントなのか?を会話の中かで見極めていくのが難しいので全部メモを取ろうとする。

しかも、会話に出てくる言葉が知らない言葉も交じっているので、何を言っているのかそもそも駆け出しのコンサルタントにはわからないことが多い。

まったく初めてお会いする方と話しても、先輩コンサルタントは話の要点を誰にでもわかるように解説できるのに、メモを取っていた当人は話の大筋すらつかめていないということもよくあるものです。

私自身も部下が作った議事録をほとんど全部直した経験が何度もあります。

経験が浅いコンサルタントがなぜ、メモを取ることができないのでしょう。

そもそも顧客の声って何だろう?

話は議事録から離れますが、「顧客の声」って何だと思いますか?

たとえば、とある雑誌メディアをプロデュースしている顧客に、現状のインターネットメディアの問題点をヒヤリングしなければいけないとします。

大抵の人は、「現在のインターネットメディアで課題と思われている点はなんですか?」と聞くでしょう。

こんな大雑把な質問をして、帰ってきた回答をもって、「顧客の声」というのは間違ってます。

大抵の人は、たまたまその時頭に浮かんだ課題を話すことになるでしょう。

つまり、その回答はすごく偏った問題意識を現したものになるはずです。

本当に聞きたいのは、定量的、定性的な分析の結果に基づいた課題、しかもビジネス的な方向性の中でクリアしていかなければならないもの、優先順位が明確なものであるべきです。

では、どうすれば本当の顧客の声がきけるのでしょうか?

「聞く力」=「質問する力」

顧客に話を聞くときは、自分の知識レベルをなるべく顧客と同じレベルにあげておく必要があります。

インターネットサイトに関するヒヤリングは、ユーザ側の画面をみれば大体「どういう構造になっているか?」「どういう業務がありそうか?」「どのコンテンツが人気そうか?」などヒューリスティックに分析することは可能です。

これらの下調べ情報をもとに、想定される課題を見出し、そこを重点的に聞くのがよいでしょう。

たとえば、一つ一つのコンテンツの写真がすばらしく、テキストもプロのライターが書いている感じがしたら、コンテンツ制作費用と1Pあたりの収入は見合っているのか?という質問をしてみるといいかもしれません。

業務運営体制を聞いたうえで、業務上ボトルネックになっている箇所がコンテンツの承認体制だと感じたら、コンテンツを承認する体制を複数にしていくことはできないのか?という質問をしてみるのもよいでしょう。

つまり、顧客の悩みを引き出すとか、課題を聞くなんて簡単にいう方が多いのだけど、実際は全然簡単じゃないことがわかるでしょう。

よく売れる営業マンなどは感覚でできてしまう場合があり、かつそういう人が偉くなっていくもんだから、なんとなく「顧客の声を聞け!」なんて言われますが、実際に聞いて帰ってくると、「誰が言ったんだ!」「あの人の意見なんて聞いても仕方ないだろう」なんて怒られたりするものです。

先輩から「議事録お願いね」と言われたら・・・

議事録をとると、漠然と会議に出席していられなくなります。

話し合ったことをまとめる仕事だから、そこにいたらできそうなことだからです。

必死に話についていこうとする駆け出しのコンサルタントに、先輩は後日「ここはこう言っていたよね?」と指摘します。

つらいところです。

議事録をとりなさいと言われたら、本当は、事前に顧客について十分調査し、自分の課題意識を顧客レベルまで引き上げ、会議の前に何について話すのかを聞くとともに、どういう議論になりそうかという点について先輩コンサルタントと議論しておくとよいでしょう。

逆に、先輩コンサルタントは乱暴に「議事録お願いね」といわず、上記のことを指示してあげましょう。

まとめ
顧客の声を聞くには質問の質が重要
会議やヒヤリングの前には事前の調査と頭の体操が有効
議事録お願いねと言われたら、言った先輩に頭の体操を付き合ってもらうようにする

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