ターゲティングするってどういうこと?

Aug 8, 2014     小泉 耕二   0 Comment     おすすめ, コンサルティング

誰に買ってほしいかってわかってます?

ターゲティングというのは、自社の商品やサービスを買ってほしい人を明確にすることです。

「なにを当たり前のことを!」と思われるかもしれませんが、案外ちゃんとターゲティングされているサービスって少ないなと感じることが多いです。

まったく新しい消費財を企画したいといわれた時のことです。

このメーカーはテレビCMもバンバンうっててマーケティング的にも成功しているといわれている企業なので、そんなこと私に聞かなくても・・・と思ったのですが聞いてみるとわかりました。

今までのメーカーのファン層が年齢があがっていて、メーカー全体として顧客層を若返らさなければならないという経営課題があり、新しい商品を。という流れになったのですが、今まで成功してきた顧客層とはまるで異なる生活者であるがゆえに、まったく打ち手がわからない。ということでした。

これを読むとターゲティングって何かがわかります。

4つのターゲティング手法

ターゲティングのためのセグメンテーション手法はいくつもあって、亜流も含めるといくつあるんだかわからないくらいですが代表的なのは次の4つです。

  • デモグラフィック分類
  • ライフステージ分類
  • サイコグラフィック分類
  • 競合ユーザ分類

デモグラフィック(人口統計学)分類

年齢、性別、学歴、既婚・未婚、末子年齢など、誰でもはっきり区別がつけられるような分類です。

「ビジネスマン向けスマートフォン」とか、「主婦向けメディア」とか言っているプロダクトやサービスはこれらにあたります。

これは、女子高生ならみんな同じような価値観で、同じような行動、趣味、嗜好があるはずだ!

というおじさんくさい考え方ですが、未だにセグメンテーションを検討する際、中心にある考え方です。

この考え方の限界は、まさに例で示した通りで、別に女子高生だからってみんながみんな同じ行動をするわけではない。という一点に尽きるでしょう。

ただ、データを取得し、瞬時に利用できるインターネット業界であってもこの考え方はあまり変わらず、多くのキュレーションサイトでもデモグラフィく情報をつかって情報配信を仕分けているという現状があります。

ライフステージ分類

私は、主婦向けメディアやコマースサイトなどに関わる機会が多く、ライフステージの話題は頻繁にでます。

学生から社会人になって、結婚して、子供が生まれて、子供がある程度成長して、食べ盛りになって、独立して、二人の生活に戻る・・・というやつですね。

ライフステージで分類する理由の多くは、そこで急にマーケットインしてくるチャンスがあることから、コミュニケーションするきっかけの必要性がとても(多くの上司にも)わかりやすいからです。

たとえば、結婚をするとする。ウエディング業界の人は、その状況をいち早く察知して会場選びから二次会、ドレスや宝石類、新婚旅行・・・と様々な情報をぶつけて行って、検討の候補にしてもらう必要があります。

子供が生まれたら、幼稚園のお受験をするのか、小学校、中学校と節目に合わせてタイミングよく教育教材を送ったりしていかなければなりません。

一方で、ライフステージでの分類は、実はよく見るとデモグラフィックによる分類の延長上にあるのです。

デモグラフィックで取得する調査項目をもう少し細かく分けたり、掛け合わしたりすることで実現可能です。

これでマーケットインするタイミングさえ抑えることができたら、あとは追っかけるのみです。

子供をお持ちの親御さんは、「どうやってこんなタイミングよく子供が小学生になることを察知しているんだろう・・・」と思われるかもしれませんが、そんなの簡単です(面倒ですが)。

こうやって、タイミングよく関係を気づいていくことで商機がある業界はいいですが、たとえば、ワンボックスカーを売っている自動車メーカーならどうでしょう?

テレビのCMでは家族と一緒にお出かけするようなイメージで作られてますが、実際は独身でも山遊びや雪遊びが好きで、荷物が多い人が購買層かもしれません。

結婚しても必ずしも家庭に入るわけではない女性もいるし、男性だって独身時代の趣味を何歳になっても引きずっている人は多く見かけます。

サイコグラフィック分類

サイコグラフィック分類は、人の価値観に基づいて分類する考え方です。

アメリカの社会学者ダニエル・ヤンケロビッチ博士が提唱した考え方で、デモグラフィック分類に対してサイコグラフィック分類と呼ばれています。

価値観なので、男女とか年齢とかは関係ありません。

ダイエッターは、男女年齢問わず、ダイエット情報に関心があるのです。

女性的な感性を持った男性が、女性の好きな洋服に憧れて、着ることもあるでしょう。

こう聞くと、「これは!」と思った方も多いかもしれませんが、実際はそんなに簡単ではありません。

サイコグラフィック分類によって人を、たとえば「先進的」「保守的」と分類したとします。

でも実際は、スマートフォンは最新のを買うけれども、家ではいまだにレコード針で音楽を聴いているなんて人もいるでしょう。

洋服、食べ物、消費財、住宅、旅行、と様々なジャンルにおいて同じ価値観であるということは案外稀です。

しかし、なにか単一の商品分類に関して嗜好性をとるのは有効でないかと思います。

「ペルソナ」という言葉を使う方が増えてきてますが、これは価値観を体現するような人を想定してネーミングする。そして具体的にその層にアプローチをするということを意識してます。

たとえば・・・休日は皇居ランを友達とやっていて、価格は適度でオシャレなイタリアンを探してる。シャンパンが大好きで、洋服はコンサバより可愛い目。十分痩せているのにダイエット意識が高く、いつも食べ過ぎに注意している。

なんて分類していくのです。

「あー、いるいる!」となったら、具体的にそんな人にどういう手を打つか?を考えるのです。

デモグラフィックかサイコグラフィックか

こう書くと、サイコグラフィック(というか価値観に基づく)分類はすごく良い気がします。

一方で、デモグラフィックがアンケート調査などですぐにわかるのに対して、サイコグラフィックは単純ではありません。

「ペルソナを作りました」と持ってきた資料を何度も見てますが、「それってあなたの洞察じゃないですか?」というものが多く客観性に欠けます。

つまり、ターゲティングに必要なセグメンテーションをするための情報がきわめてあいまいになりがちなのです。

また、詳細の調査をしようとすると、調査会社側のスキルが非常に高い(つまり人を見る目がある)必要があったり、費用が高くついたりしがちです。

さらに、人を見る目がないメンバーが組織にいると、言っていることがわからない、そんな人見たことないと言われてしまうでしょう。

こういった理由から、現状では、「一応デモグラフィックを取っておいて、仮説でサイコグラフィックを取り、やりながら直してくか~」というやり方が多くなってしまっています。

競合ユーザ分析

企業は組織の合意が必要なケースが多いので、「納得感」が重要になる局面が多いといえます。

そこで、競合企業の商品を買っているようなユーザをターゲットにしよう!という発想が生まれるのです。

たとえば、「ドコモのらくらくフォンを買っているような人」「ファストファッションのお店で洋服を買っているような人」といった具合です。

これであれば、かなり具体的で、かつ、倒すべき敵(笑)も視野に入れられるのでやりやすいでしょう。

ただ、このやり方、たとえばBMWの5シリーズを買った人が何が理由で買ったのか?がわからないということです。

  • BMWブランドが好きで買った
  • ラグジュアリーだから買った
  • エンジン性能がいいから買った
  • 成功者が持っているから買った

自分がメルセデスのマーケターなら、こんなことなら、競合なんか調べないで自分のブランドの良さをぐいぐい押してしまう方が向こうから来るんじゃなかろうか?とさえ思ってしまいそうです(笑)。

結局ターゲティングするってどういうことなのか?

ここまで書いてきたとおり、ターゲティング以前に、生活者をセグメントすることがとっても難しいのです。

この困難を乗り越えてやるには、なるべくターゲットとなりうる生活者がいなそうなところおには針を落とさない。

主婦向けサイトで、セグメンテーションについて話し合っていた時です。

マーケティング会社が一所懸命にペルソナを作ってきたのを見て一言。

「これって、大くくりで行って、『主婦』って言ってるだけですよね?」

おっしゃる通り。ある程度生活者をセグメントしたら、ぜひ少額でいいから一度テストマーケティングを行ってみてください。

その少額の投資にも関わらず、購入してくれたり、ブログやfacebookに頼みもしないのに宣伝してくれる人(イノベーター)がいたら、その人がどんな人なのかを分析してみるとよいでしょう。

インタビューしてもいいし、インターネット上のアンケートに回答してもらうのもよいでしょう。

そうやって一歩一歩顧客と商品・サービスの間の溝を埋めることで制度の高いターゲティングができるようになるのです。

まとめ
4つのセグメンテーションがある
デモグラフィックとサイコグラフィックは裏表
イノベーターを分析する

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