MVNOが普及しないマーケティングな理由

Aug 11, 2014     小泉 耕二   0 Comment     おすすめ, コンサルティング

MVNOって知ってますか?

MVNOは、Mobile Virtual Network Operatorの略で、乱暴に言えばキャリアじゃない会社がキャリアのネットワークを借りて安くサービスをするというものです。

なんで、キャリアのネットワークを借りているのに、安くなるの?という質問がありますが、それは利用に制限があるからです。

多少利用に制限があっても、キャリアのネットワークより安いならなぜ広がらないのだろう?と思いませんか?

そこのところをときほぐしていこうと思います。

これを読むと安けりゃといいという考えがなくなります。

安いサービスは買われるのか?

一般的に安いサービスは、高いサービスよりも買われることが多いですよね?

今回のMVNOの例でいくと、DTIだと月額467円で利用できます。

相当安いといえますよね?

それでも実際は相当苦戦していて、MVNOという言葉も初めて聞いた、もしくは聞いたことがあるけどちゃんと知らないという方も多いのではないでしょうか?

これはまさに、「安くても買われないサービスがある」という事実です。

安いと買われるものはなにか?

逆に、安いと買われる商品ってなにがあるでしょう?

たとえば、ユニクロに代表される安くて品質がよいことが売りの商品です。

他にはマクドナルド、吉野屋といったところも安いことが買われるきっかけになっていました。

安いということをどうやって認知するか?

ここで少し立ち止まって、考えてください。

みなさんは、どうやって「安い」ということを認知してますか?

「安い」というくらいだから、「高い」ものもあるのです。

つまり、競合商品が存在することがまずあります。

そして、高いか安いかが気になるのは、「欲しい」からです。

簡単な話ですが、欲しくもないもので安い安いといわれても、目にも入ってきませんよね。

新しいものを市場に投入するときの鉄則

新製品や新サービスを投入するときに、よく四現象マトリクスを描きます。

片方の軸が「商品」、もう片方が「市場」です。

で、スタートが左下としたときに、割といきなり右上に行きたがる方が多いのですが、それが大抵ミスとなります。

右上がどういう状況かというと、「市場としても新しく、商品としても新しい」ということです。

右上に商品を持っていくと、とってもイノベーティブなことをした気持ちになるので、企画している人は特にここに行きがちです。

一方で、成功する商品やサービスは、同じ商品で市場を変えるか、同じ市場に違う商品をぶつけるかしかうまくいきません。

今回のMVNOの例で見てみると、市場は同じでしょうか?サービスは同じでしょうか?

一見すると同じように見えますね。

  • 市場:(主にデータ)通信の市場
  • サービス:データ通信サービス

ほぼ同じ市場で価格が安くなるだけなので、サービス提供者は当然市場にも受け入れられると考えています。

しかし、日本の通信市場の中で、データ通信の市場というと、ほぼ全体をカバーしてしまっていて、これだと、MVNOという新しいサービスの獲得すべき市場というのがきちんと定義できていないと思います。

サービスとしては、決して良くなるわけではなく、むしろ通信環境や条件がつくことでサービスの質は悪くなる(もしくは限定的になる)といえるでしょう。

「現状の市場」として定義することができるのは、「通信速度や通信料にある程度の制限があってもスマートフォンとして問題なく使えている」と思える層のみ。ということになります。

マーケットありきでMVNOを紐解く

はたして、どうやったら「通信速度や通信料にある程度の制限があってもスマートフォンとして問題なく使えている」と思える層というのが顕在化するのでしょうか?

私は、今のMVNOが普及しない一番の理由はここだと感じてます。

つまり、「市場が定義できていない。」ということです。

サービス的にはキャリアのサービスより限定的になるサービスを安くで売るということは、商品軸は決して改善されていない状態であるのに、市場側がどういう人たちによいか?ということを訴えずにただ、「安いよ~安いよ~」とやっているので、そもそも欲しくならない状態なのです。

まとめ

ここまで来ると、安ければよいという考えはなくなるでしょう。

今の状態だと、サービス性にも差がありすぎて、私のような専門家が比較サイトを見ていても、どれを使えばよいかよくわからない状態です。

利用者不在のままなぜか安値合戦になっているこのMVNO業界ですが、ぜひそのむなしさに気づいていただき、市場を定義することからやるべきでしょう。

まとめ
安いことが買う動機になるわけではない。
初めに欲しいと思うこと。その上で価格の比較がされるべきだ。
MVNOはこのままだと利用者不在のままの安値合戦が続くだろう。

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