アナ雪のPRからヒットの連鎖を学ぶ

Sep 11, 2014     小泉 耕二   0 Comment     PR, おすすめ

ヒットの連鎖はこう生まれた

「アナと雪の女王」の累計動員数が1973万2446人、興収は251億584万7600円となり、ジブリ『千と千尋の神隠し』が2001年に記録して以来、実に13年ぶりの250億円超えとなった。

松たか子や神田沙也加、May J.らが歌う日本語版の劇中歌も大ヒット。7月16日にはBlu-ray Discも発売され、発売わずか3日で104.6万枚とミリオンを達成した。

コンテンツとしての素晴らしさや歌の魅力に着いてよく語られるのをよく見かける。

今回は、PRという観点からヒットの連鎖がどう生まれていったかを分析する。

これを読むと素晴らしいコンテンツはPRによってヒットが連鎖することかがわかります。

予告から公開まで

2014年3月、東宝シネマズ日劇他598スクリーンで公開された。

初日を含めた3日間では観客動員79万2636人、興収9億8640万5300円の成績で、公開5日目には観客動員100万人を突破している。

公開前の準備としては、2013年時点では物語の内容を予告としてながしていたのを、2014年2月には松たかこが日本語版の歌を歌うものが公式ホームページで公開された。

公開時のスタートダッシュは順調だった。

ただ、これだけでヒットは連鎖したのだろうか?リピーターは増えただろうか?

日本独自のPR戦略

本国アメリカでは、雪だるまやトナカイを全面にだした「キッズ向け」のPRを行っていた。

これが英語版の予告だ。

そして次が日本版の予告。

見れば一目瞭然だが、予告篇の作りがミュージカル調で大人っぽい。

少子化が進む日本で、可処分所得も多い大人の女性をターゲットにした改良が加えられたのだ。

歌の連鎖「ありの〜ままの〜」

アナと雪の女王といえばこの歌だが、大人から子供まで歌っているのを未だに聞く。

共感できる歌詞に、ついに劇場で一緒に歌おうという企画が起こる。

盛り上がった映画館と盛り上がらなったところがあったようだが、歌いたくて足を運んでも気後れしたのだろうか。

ただ、このことで再び話題騒然となる。

歌詞を中心とした様々な論争が巻き起こる

歌詞の解釈、英語版と世界各国の歌詞でどの訳が素晴らしいかったか?など、歌詞にまつわる論争は尽きない。

25カ国の訳と、様々なカバーの発表、果てはYoutubeでの個人での歌披露と、全世界でみればこの曲の露出量は相当なものだといえる。

実際の映画をみて感じたのだが、自分の秘密が明るみに出て国中凍らせてしまった女王が、逃げるように山にこもる、そんなシーンで使われている曲だった。

正直気持ちは前を向いていなかったのではなかろうか?

そんな時に「ありの~ままの~」というのはちょっと共感しづらい。

ラストに向かう中で、本当にありのままの女王が受け入れられていくのだが、どちらかというとその場面で妹アナとともに歌うといったシーンがあるとこみあげてくるものがもっとあっただろうなと感じた。

ディズニーランドでのショーの決定

もちろん、本家本元のディズニーもこのブームに乗らない手はない。

2014/8/14のプレスリリースで、来年2015年1月にスペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」が始まるとのことだ。

ディズニーランド全体がアナと雪の女王の世界に包まれるということで今から楽しみなファンも多いはずだ。

幸せになる力を生む戦略的広報プラットフォームの醸成

歌の力を中心に様々な話題が市中にあふれ、その結果物語の内容をよく知らない人でも興味を持つようになる。

カラオケで友達が歌う。テレビやコンビニで頻繁に曲が流れる。

観客動員数が話題になり、ネットではなぜヒットしたか?という議論が巻き起こる。

実際にみた物語はわかりやすく、最後はハッピーになるというディズニーの素晴らしい作りと、CG技術の進歩からかとても人間に似た感情表現をするキャラクターに感情移入し、そこにもはや聞きなれた歌が流れる。

歌の大好きな子供たちは合唱し、大人も微笑む。

こういった一連の流れの中で、人が幸せになる力のある「もの」が生活の中に取り込まれていくことで、ヒットは連鎖したのだ。

この事例から我々が学ぶべきは、「これからの広報は戦略的でなければならない。」ということだ。

今までのように、詳細の商品特性もろくに知らずにリリースだけをだして燃え尽きたり、メディアとの顔つなぎに奔走したり、している「だけ」ではダメだ。

今後は、マスメディアや、ソーシャルメディアをうまく活用した、顧客とのコミュニケーションプラットフォームを如何に構築し、顧客がつくるヒットの波の「きざし」を掴み、「展開するか」が戦略的広報を実践する上で重要となる。

まとめ
アナと雪の女王のPR戦略は、歌を中心としたミュージカル調の予告編からうかがえる。
人が幸せを感じる連鎖をつくることができたことがヒットの連鎖を生み出した。
今後の広報活動は、戦略的にプラットフォームを構築し、ヒットの波にうまくのらなければならない

参考:Wikipedia, Huffintonpost

Comments are closed.